そらになるこころ

緊縛師 青山夏樹のSMや緊縛に関する思いを綴るブログ。内容重めです。

商品ではなく作品を。

Mは人の愛情を信じられない人が多くてしょっちゅう不安になります。不安を打ち消したくてピアスや刺青を欲しがる人も多いです。 痛みで自分を安定させたくてプレイだけに縋る人も増えました。 自分に自信が持てず嫉妬する事も多いです。 そして時々びっくり…

人を活かす縄

SMには生/性と死が深く関わる。 SMと共に生きるという事は 多くの生と死の境界に触れながら生きてきた時間でもある。 自分の過去を書くためだけに 関わってきた大切な人たちの苦しみを利用するようなことはしたくなかったし 書くことは、辛い記憶にアクセス…

異性の弟子

私は女性ですから男の子に縛りを教えると 「異性」になります。 だからどうしたと言う話ですが、昔から異性と仕事をする時にはしばしば付きまとう邪推があります。 別に男に困っているわけでもありませんし「下らねえ」で済ませてしまうものですが、女性用風…

弟子を持つこと。

私の考えを言葉にして欲しいとのご意見を頂きましたので、1度私の考えを書いてみようと思います。 私の仕事は緊縛師です。 緊縛師になる前はいわゆる「女王様」で、それは今でも変わりません。 21歳でSMクラブに入り今年で50歳になりますが、ずっとSMを…

心の果て

‪ともすれば月すむ空にあくがるる‬‪心のはてを知るよしもがな‬ 空の果てを知る人がいないように 自分の本当の考えをわかる人はいないと思って生きてきた。人は様々な感情と同居しながら生きる複雑な生き物。だからほんの一部分でも、ほんの一時でも暖かく共…

永遠の純愛(過去のコラムから)2005年頃

よく、SM雑誌の取材等で聞かれる項目の中に 「SMとは?」という質問がある。 私は「純愛。」と答える。 昔、奴隷が言った。 「SMは考えることが出来る頭と言葉を持つ、人間だけが楽しめる高尚な遊び」だと。 性交は虫でも動物でも出来る。 でも、SM…

緊縛師の仕事について。

昨日ふと考えた。 この仕事を覚えて受け継いでくれる人は この先出来るのかと。 緊縛師と言う仕事は元々アダルトメディアでSM的な表現をする裏方の仕事で華やかな場所に出ることの無い技術職。 その仕事を引き継ぐには、仕事内容を全て知ってもらわなくて…

心と形(過去のコラムから)

■心と形 (06/09/03)毎日のニュースを見ても、SMの世界を見てもどんどん切ない世の中になっていっている気がします。 毎日起きる事件の裏にある人の心の崩壊、人と人との関係の崩壊は「精神世界」であるSMにも如実に現れているような気がしてなりません。…

花を咲かせるのは無垢な心。(去年残した言葉)

人は皆価値があって誰でも美しく咲くことが出来るのです。その花を美しく開かせるのは無垢な心。笑った顔、泣いた顔、眉間に皺を寄せた顔を隠さないで。十分あなたは素敵なのだから。自信を持って、思い切り咲いて欲しい。そう願っています。心を預けてくれ…

男性初の駿河問い

ある時 「ねえ、今度あの吊りやってみたい」 とパートナーが言いました。 あの吊りとはどの吊りかを聞いてみると 「駿河問い」でした。 彼は責めに関してでも、 いつも子供が新しい玩具をねだるように 好奇心に満ちた目をキラキラさせて 「あれやってみたい!…

縄を伝う悲しみ。

‪ 相手の苦しみが縄を伝って自分の中に流れて来て辛くなる事がある。‬‪縛りながら涙が止まらなくなる。‬ ‪今まで辛かったね、悔しかったね、怖かったね、寂しかったね。‬ ‪大人の姿をした相手の中に膝を抱えて泣いている小さな子供が見える。‬ ‪その姿を見つ…

悲しみの中で出会う新しい自分。

人生には絶望する程の悲しみは何度も訪れるのだと思います。 それとは逆に新しい自分に出会う喜びも何度も訪れます。 私にとって緊縛しかりトレーニングしかり。 家族の健康問題で悲しみに暮れている時、パートナーが新しい喜びを教えてくれました。 近年の…

最後に捧げた駿河問い。

ツイートで嫌と言う程書いてきましたが改めて私がショーを1から修行した場所、六本木ミストレスの本当の最後の夜について書きたいと思います。 (駿河問い) 私が六本木ミストレスに入ったのは2001年の12月でした。いくつも恋をして沢山仕事をして夢を掴んでき…

私の醜い手。

朝起きて手を撮ってみました。 難易度の高い吊りをやると数日は指が腫れます。 私の指は縄ダコというか、縄で指が変形しています。特に右手は人差し指は太く、縄を乗せる関節の部分が骨も大きくなっています。 縄が通る部分の節が不格好に発達して縄の負担が…

ショーで魅せる夢、繋がる希望。

ショーやビデオは私が舞台の上や画面の中でプレイをしているのを大勢の方が観ます。 一方向に発信する行為のようですが 心を込めたプレイをする事で受け取る側の方と思いが繋がる事があります。 それは感情移入するシンクロ(同調)だったり、放った音が跳ね返…

はじめての奴隷。

21歳の時厳しい家が嫌で、身一つで家出してSMクラブに入りました。 (イラストは以前にSardaxが描いてくれてものの1枚。http://www.sardax.com ) そのお店は6畳ぐらいの応接セットが置かれたカウンセリングをするスペースと、30畳の豪華なプレイルームのある…

制限しない生き方を

今まで、トラブルや傷を避けようと 自分で自分を制限する事が多くありました。 仕事でもプライベートでも。 勇気を出して踏み出す1歩に 新しいヴィジョンが拡がって行くのを感じます。 仕事も競技へのチャレンジも。 全ては自分を表すもの。 自然に解放して…

捨てられないTバック

もう随分昔のこと。 月に1度メールを送ってくれるMが居ました。 私のサイトの日記を読んだ感想など、 丁寧な言葉を送ってくれる高齢のMでした。 私が緊縛師の修行中、お小遣いをつかって 縛りの古い文献を蒐集していた頃は 国会図書館から大量の資料を集め…

時代に合ったSMの在り方、携わり方

今まで、歳をとって自分を商品にする事が 心地よく感じられなくなったり 縛りだけでSMの表現を極めてみたいと思ったり この10年、元々の女王様の部分を基本的には 封印してきました。 出来れば中性的な存在になりたいなと。 今年の3月に新しい目標というか、…

SMで食っていくということは、抜くということ。

ここ数年、プレイの経験はないけどSMに興味を持ったという若い方から「SMで生きていきたい」と相談を受ける機会が増えました。 そんな時、いつもちょっと考えてしまいます。 何も考えずまず「SMクラブで働いてみたら」とは言えなくて。 (写真は2000年頃所属…

愛の形

愛してた。 2人の間で愛し合う気持ちがわかっていたら 他人が納得するような形なんてどうでもいい。 恋人、夫婦、友人、家族、SかMか、男か女か 愛の形にラベリングなんて必要ないって思う。 愛していない人に愛してるなんて言えない。 だから、愛しい人は …

Mと奴隷の違い(過去のコラム)

過去のコラムを見ると若かった分 今と少し考えが違うと言うか固く考えすぎて寛容さが足りなかったようにも思いますが根っこの考えは今とそう変わらないようです。 ■Mと奴隷の違い (2006/05/07) 「M」と「奴隷」の違いは「プレイ」と「調教」の違いに繋がっ…

禁止することと許可する動機について過去のコラムから

■禁止と許可の動機 (2007/04/15)主従のロールの中でよくあることに、「躾ける」ということがあります。 自分のM、もしくは自分の奴隷を教育していくことが主人と奴隷の信頼関係を築いたり、互いの絆を撚っていく過程にもなります。 いたずらにする「禁止」…

生きたSMに触れる

昔のSMクラブには女王様とMの教育機能がありました。 (写真は2004年頃のプレイルームでの1枚) お客さんであるMと、先輩女王様のプレイを新人女王様が見学に入りプレイの現場で生きたSMを学びました。お勉強的な「知識」や「作業の手順」を覚える講習とは違う…

ヘテロかレズか、SかMかなんて所詮誰かのカテゴライズ。

先日書店で欲しい本が見つからず、近いカテゴリーの本棚を何周もしながら探していました。 そこに「ナタンと呼んで」と書かれたイラストが表紙の本に目が留まりました。副題は「少女の身体で生まれた少年」。 あまりこのジャンルの本を読むのは得意ではない…

教室の生徒さんの目から見た流儀の感想

安全な縛りをする為の縛りの基礎を教える「結びの教室」をやっているのですが (現在お休みしてます)そこにずっと通ってくれていた生徒さんである方の感想が届きました。 長いこと苦労している様子を見せてしまっていたので、彼女からの言葉は胸が熱くなり…

最後にやりたいことは未来への種まき

熱い気持ちを抱えてSMを求め「女王様」という職業を選択した女性たちが夢を見いだせず、私が随分昔に撮った作品や日記などに綴った言葉を何年も心の拠り所にしてくれていたことを知り目が覚めるような思いがした。 2月に行った上海や海外の新しい女王様たち…

流儀までのこと、流儀のこと。

随分前から、次の世代にバトンを渡したいと思いながら 活動してきた。 自分が救われたこの大好きなSMという世界に、何かできる事はないだろうかと。 緊縛事故の問題や緊縛については、 お金を掛けて環境を整えたものの 同業者で一緒に研究しましょう、改善し…

撮影後の思い

先ほどの投稿と重複する部分がありますが 撮影後のメモそのままに載せてみます。 当初の予定では秋田さんとは撮影日が別 ということもあり 初めてお会いするのに 既に聴きなれた声を聞きながら 秋田さんの体を拘束する瞬間が 来るなんて想像もしていませんで…

リビングデッドの撮影

自分の中で大きな一区切りがついて、やっと頭をリセットできたので 書こうとしてためらっていたことを書きます。 去年の8月か9月のことです。 一通のメールが届きました。 ある制作会社からのお仕事の依頼のメールでした。MV制作にあたって、私に縛るシー…