そらになるこころ

緊縛師 青山夏樹のSMや緊縛に関する思いを綴るブログ。内容重めです。

SMで食っていくということは、抜くということ。

ここ数年、プレイの経験はないけどSMに興味を持ったという若い方から「SMで生きていきたい」と相談を受ける機会が増えました。

そんな時、いつもちょっと考えてしまいます。

何も考えずまず「SMクラブで働いてみたら」とは言えなくて。

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(写真は2000年頃所属していたSMクラブのプレイルームでの1枚)

 

※私の今まではと言うとSMクラブ嬢を経、いつでも買える「みんなの女王様」を卒業して愛する人だけの女王様になりたくて、少しずつ仕事を変化させました。

ビデオの中でするプレイは、お客さんが自分のしたい相手とプレイする姿を観て楽しんでくれます。だからこれが一番自分らしいと感じビデオの世界に転向して行きました。

ただ、そのパートナーとさよならしてからはすっかり自分のビデオを撮る気をなくしてしまい緊縛師として女性を輝かせる裏方に専念するようになったという感じです。

 

私が気にかかるのはSMクラブで働くことは抜きのサービスを提供する仕事でもある現実をわかっていない場合が多い事です。

 

最近、私の言う精神的なつながりに憧れてSMに興味を持った女の子の中には特に性的な経験が少ない子が多いです。

そんな子がSMへの憧れだけで入るには厳しい世界だと思うので、すぐに勧めることが出来ません。

本当にSMをやりたい女の子にとって、性感的なサービスに心が消耗し傷つく子も多くいます。

今では何千のアナルを犯し性器をしごいて来た私ですが、SMクラブで働き始めた頃の私もそんな女の子の一人でした。

 

人から体をいじられたり体液がつくのが苦手で、Mになることが精神的苦痛でしかなかった。

けれどSMをしたいと思えば、Mから始めるしかなかった。

縛られたくもないのに縛られ、時々お尻を叩かれ、舐められ、大人の玩具で局部をこねくりまわされ、最後は口で抜いてお客さんにありがとうございましたと三つ指ついて言う。

こんなの自分のやりたかったSMじゃない!と悔しくて辛くてしょっちゅうお客さんと喧嘩して、ママに叱られました。

 

Mを経験したお陰でMの立場になって考えることが出来るようになったのは、この辛い経験のお陰と思いはしますが、まだ擦れていない新しい人たちに同じ思いをさせるのはどうにも気が進みません。

 

今は女王様になろうと思えば、色んな形でいきなり女王様から始めることが出来ます。

SMバー、SMサロン、SMサークル、M性感、映像配信などなど・・・

私は腹を括って始めるのなら絶対にSMクラブから始めるべきだと思います。

必ず、1対1でお客さんと向き合って毎回プレイを時間内に完結させなくてはいけないのでプレイを組み立て責任取ることをしっかり叩き込まれます。

それがなくて、良いとこどりで女王様気分を味わうプレイは簡単に出来ますが色んな人を満足させる幅広いテクニックや精神面のケアを身に着けるには絶対にSMクラブからスタートするべきだと思います。

その、抜きの部分に傷つかないのであれば。

 

今は女王様専科があるので、最初から女王様プレイだけを勉強し仕事にすることが出来るのは少しうらやましい気もしますが修行と考えるなら得損なっている部分もあるような気がします。難しい所ですが。

 

今日はちょっと昔の話を書いてみようと思います。

 

一番最初にSMクラブに入った時から女王様の経験があると嘘をついて女王様だけをやろうとしましたが叶わず、Mから始めました。少しプレイが出来るようになってきたとママが判断したらスイッチプレイのあるMIXコースの仕事を受けられるようになります。

MIXコースはお客さんがMでも女の子に触ったり舐めさせたり出来る何でもありのコース。

そして、女王様プレイが出来るかどうかテストがあった後やっと女王様プレイの仕事が受けさせてもらえるというのが基本的なSMクラブでの育ち方です。

 

最初に働いていたクラブでNO1になった後、他のクラブに移籍することにしたのですが前のお店で1番になった実績があるとは言え、基本的なお店の仕組みとしてMもやらないといけないと言うことでした。

それがどうしても嫌で、飛び級を願い出ました。

最初から女王様プレイで仕事がしたいと。

痴女プレイやイメージプレイは得意だったので平気でしたがMだけは避けたかった。

 

すると、社長が「日本全国を行脚して自分の身体でSMを経験してきた。社長を満足させることが出来たら飛び級を認める」とのこと。

もうほとんど何かの漫画の世界です。

しかし現実です。

そのお店はMIXから女王様に昇格する時の試験は先輩女王様が仁王立ちで見守るなか

プレイしなくてはいけない、とても精神的に悪い状況のテストだったので

社長の計らいはとてもラッキーだと思いました。

しかし、俺を倒せるか!という挑戦状は・・・なかなかのプレッシャーでした。

これから働かせてもらうお店のオーナーですから、このプレイ次第ではお店での立場もなくなるわけで、流石に緊張しました。

 

しかし、絶対にMをやりたくないから背に腹はかえられません。

 

いざプレイ開始。

 

頭のスイッチを切り替えて、自分のボスではないただの男だと言い聞かせながら

身体を探っていきます。

子供の頃から性のテクニックを磨くことにしか興味のなかった自分の全てのエロさを動員して・・・少しの反応も逃さず丁寧にプレイしました。(メインはアナルプレイ)

もちろん、触られることも舐めることもなく女王様として私も濡れながらフィニッシュを迎えました。

 

めでたく、飛び級は認められ大きな顔をして女王様プレイでお金を稼ぐことが叶ったのですが飛び級と私の生意気な態度のせいか控室は実に寒い空気でしたが自分の実力で勝ち得たポジションに幸せを感じていました。

 

そして

その後上京するようになるのですが、またそれは別の機会に書いてみます。

 

こんな感じで、自分のプレイで道を切り拓いて来ました。

そこには多くのち〇ぽを悦ばせ抜いてきた事実もくっついています。

男の快楽を支配して、真の女王様になりたいという猛者は

是非、SもMもあるクラブで修行して下さい。

 

異性との肉体的接触が苦手な方には勧めません。

今、そんな精神的SMの道を究めたい方へ何か良い形がないか考えています。

それが形に出来たら幸せです。

 

少し待っていてください。

 

そして、悩んだ時はいつでも頼って下さい。

泥沼の中で性と共に生きてきたから解脱した私がいます。笑