そらになるこころ

緊縛師 青山夏樹のSMや緊縛に関する思いを綴るブログ。内容重めです。

私の醜い手。

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朝起きて手を撮ってみました。

難易度の高い吊りをやると数日は指が腫れます。

 

私の指は縄ダコというか、縄で指が変形しています。特に右手は人差し指は太く、縄を乗せる関節の部分が骨も大きくなっています。

縄が通る部分の節が不格好に発達して縄の負担が掛かる場所が良くわかります。

女としては恥ずかしいのですが、仕事ですから仕方ありません。ネイルで誤魔化しています。

 

緊縛師の修行時代、師匠に「手を見せてみろ」

と言われたのを思い出します。

私の手を取って、触ってみて縄ダコの出来ている場所をチェックし「ちゃんと縄を扱えてるな」と言われたのがとても嬉しかったこと、今でも覚えています。

 

私の縄は武道からの流れを取り入れた考えで出来た流派です。

基本は力を入れず、縄を扱います。

必要なポイントだけ、縄を強く引きます。

縄筋を整えて扱う為に指が火傷のようになるまで縄に強い圧を掛けて縄を送り出します。

縛られる人には強い力は影響しませんが、私の指には要所要所で強い力が乗ります。

私の縄の特徴は、縄を走らせることです。

縄を無理に引いたり押したりせず、脱力し指の上に乗せ縄の向かう方向を指で縄に教えるだけです。

無駄な力が加わると縄は繊維が流れて行かず、飛んだり走ったりしてくれません。

 

何だか人の心も同じだなと縄に教えられます。

 

ショーで縛る時は特に、スピード勝負という事もあり縄を握りこんだりせずひたすら指の上を滑らせます。縄にブレーキを掛けるのも指。

縄を矯正するのも指。

指に縄を乗せて関節部分で強めの力を掛けて来た結果がこの変形した醜い指です。

つくづく美しくないなと思います。

でも自分の手が好きです。

緊縛師としてのこの手を誇りに思います。

 

この数年は縄ダコも柔らかくなって来ました。

自分的には、より力を抜いて縄を扱えるようになってきたのかなと嬉しい気持ちです。

 

この先、死ぬまで自分の芸をどこまで無駄を削ぎ落として突き詰めていけるか楽しみです。